税理士試験科目別勉強法の一例を、「簿記論」でご紹介したいと思います。簿記論の試験は、ほとんどが計算問題です。
必須科目であるとともに、そのカバーするエリアは、半端ではありません。
勉強時間の目安として、500~600時間と言われていますが、計算の得手・不得手で個人差が大きくでてしまう科目です。
資格試験の勉強でオーソドックスなやり方ではありますが、まず全体像を掴む事。ここで深入りしてしまうと、時間がいくらあっても足りません。
最初のうちは、わからないことは読み飛ばしてください。一通りテキストなり参考書を読み通したら、それを繰り返します。
最初わからなかったことが、全体像が掴めて来るうちに少しずつ「どこがわからないか」「論点は何か」が答えがわからなくとも、少しずつ見えてきます。そのうえで、簡単な例題に挑戦してみてください。
まずは答を見ずに解いてみます。最初のうちは時間がかかるでしょう。その時までに仕入れた知識をフル活用して解いてみてください。
この場合所要時間を決め、そこまでにできなくともやめる。次に初めて解答をみて、その論点を確認します。
計算間違いといったケアレスミスは本番で致命傷になります。まずは、時間がかかっても正しい数値が導き出せるよう着実に解いていきます。
このような基本的な例題パターンをこなせるようになってきたら、総合問題に挑戦してみてください。
総合問題は「現金」「預金」「固定資産」「有価証券」と項目別に羅列されているため、勘定科目ごとにライン等で区切って各勘定残高をすべてT勘定(簿記試験の必須テクニックで所謂「総勘定元帳」を言います。
Tの字を領域区分として、上部に「現金」、下左側「現金増加」、右側「現金減少」を記入していくもの)で書き出し、取引仕分を書き、それをT勘定に転記するという作業を繰り返していくことで、総合問題も少しづつクリア出来てきます。
このような作業を繰り返すことで、総合問題も個別問題の積み重ねでしかないということを実感として気づいてくることでしょう。ここまでくれば、あとは不得手となる個所を集中的にクリヤしていけばいいのです。
最初にも書きましたが、簿記論は計算能力がカギです。
できるだけ「早く」、「正確」に計算をこなしていけるかが合格を左右します。
満点を目指す必要はありません。
合格ラインを「確実」にクリアできるようレベルアップしていくしかありません。